数年前から、お風呂の排水溝に溜まる抜け毛の量が増え、髪をとかすたびにブラシに絡みつく髪の毛を見るのが憂鬱でした。若い頃は髪の量が多い方だったのに、いつの間にか分け目が広がり、全体的にボリュームがなくなって、地肌が透けて見えるようになってきたのです。最初は気のせいだと思おうとしましたが、友人との写真を見返すと、明らかに自分の頭頂部だけが薄くなっているのが分かり、ショックを受けました。それからは、なんとか自分で改善しようと、育毛効果を謳うシャンプーやトニックを片っ端から試しました。頭皮マッサージが良いと聞けば毎晩行い、髪に良いとされるサプリメントも飲みました。しかし、どれも目に見える効果はなく、時間とお金だけが過ぎていく状況に焦りと不安ばかりが募っていきました。そんな時、思い切って女性の薄毛を専門に診ているクリニックの無料カウンセリングを受けてみることにしたのです。診察の結果、私の薄毛はFPHL(女性型脱毛症)の可能性が高いと診断されました。医師は、私の不安な気持ちに寄り添いながら、治療法について丁寧に説明してくれました。そして、まずはミノキシジル配合の外用薬から始めてみましょう、と提案されました。正直、薬を使うことには少し抵抗がありましたが、このまま悩み続けるよりは、医学的な根拠のある治療に賭けてみたいという気持ちが強くなり、治療を開始することを決意しました。使い始めて1ヶ月ほど経った頃、予想はしていましたが「初期脱毛」が始まりました。抜け毛がさらに増え、本当にこのまま続けて大丈夫なのかと不安になりましたが、クリニックに相談すると「効果が出始めている証拠ですよ」と励まされ、なんとか乗り越えることができました。そして、治療開始から半年が過ぎた頃、明らかに分け目の地肌が目立たなくなり、髪にハリとコシが出てきたのを実感したのです。鏡を見るのが苦痛ではなくなり、以前よりも自信を持って人と接することができるようになりました。治療は今も続けていますが、あの時勇気を出してクリニックに行って本当に良かったと思っています。