男性型脱毛症、いわゆるAGAは、日本人男性の薄毛の主な原因として広く知られています。かつては諦めるしかない、あるいは高額な民間療法に頼るしかないと考えられていた時代もありましたが、近年、医学的な研究が進み、効果的な治療法が確立されつつあります。現在、AGA治療の主流となっているのは、主に内服薬と外用薬です。内服薬としては、フィナステリドやデュタステリドといった成分が代表的です。これらは、薄毛の原因物質であるジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑制する働きがあり、抜け毛を減らし、毛髪の成長サイクルを正常化させる効果が期待できます。一方、外用薬としてはミノキシジルが有名です。頭皮に直接塗布することで、毛根周辺の血行を促進し、毛母細胞を活性化させる作用があります。これらの治療薬は、医師の診断のもと、適切に使用することが重要です。副作用のリスクもゼロではないため、専門医との相談は不可欠と言えるでしょう。また、薬物療法だけでなく、自毛植毛という選択肢もあります。これは、後頭部などのAGAの影響を受けにくい部位から自身の毛髪を採取し、薄毛が気になる部分に移植する外科的な治療法です。確実な効果が期待できる一方で、費用が高額になることや、手術であることへの理解が必要です。さらに、低出力レーザー照射や、自身の血液から抽出した成長因子を頭皮に注入する治療法なども登場しています。これらの治療法は、それぞれにメリットとデメリット、そして適応があります。大切なのは、自分の薄毛の状態や進行度、ライフスタイル、予算などを考慮し、専門医とよく相談した上で、納得のいく治療法を選択することです。

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