フィナステリド(プロペシア)単体での治療でも、一年後には「抜け毛の抑制」や「現状維持」、あるいは「軽度の改善」といった効果が期待できます。しかし、もしあなたが「もっと劇的に髪を増やしたい」「地肌が透けないくらいまで回復させたい」と高い目標を持っているのなら、フィナステリドだけでは力不足かもしれません。そこで選択肢に入ってくるのが、発毛を促進する「ミノキシジル」との併用療法です。この二つの薬を組み合わせることで、一年後の結果に圧倒的な差をつけることが可能です。フィナステリドとミノキシジルは、それぞれ役割が全く異なります。フィナステリドは「守りの薬」として、脱毛の原因物質を抑え、抜け毛を防ぎます。一方、ミノキシジルは「攻めの薬」として、血管を拡張して毛根に栄養を送り込み、直接発毛を促します。サッカーに例えるなら、フィナステリドが鉄壁のディフェンダーで、ミノキシジルが得点を狙うストライカーです。ディフェンスだけでは試合には負けませんが、勝つ(髪を増やす)ためにはオフェンスの力が必要です。この二つを併用することで、マイナスを止めるだけでなく、プラスへと転じさせる強力な相乗効果が生まれるのです。実際に、多くのAGAクリニックでは、基本治療としてこの併用療法が推奨されています。臨床データでも、単剤使用よりも併用した方が、髪の密度や太さの改善率が格段に高いことが証明されています。一年後のビフォーアフター写真を見比べると、併用した人の髪のボリューム感や若々しさは、単体治療の人とは一線を画すものがあります。特に、頭頂部の透け感や生え際の後退が顕著な場合、併用療法でなければ満足のいく回復が得られないケースも多いです。具体的な方法としては、フィナステリドの内服薬に加え、ミノキシジルの外用薬(塗り薬)を使用するのが一般的で安全性が高い組み合わせです。さらに効果を追求する場合は、医師の管理下でミノキシジルの内服薬(ミノタブ)を併用することもありますが、副作用のリスクも高まるため慎重な判断が必要です。もちろん、薬が増えれば費用もかかります。しかし、中途半端な治療を長年続けて結果が出ないよりも、最初の一年で集中的に投資してガツンと髪を増やし、その後は維持療法に切り替えるという戦略の方が、トータルの満足度もコストパフォーマンスも高い場合があります。一年後、鏡の前で「まあこんなものか」と妥協するか、「やってよかった!」と歓喜するか。その差は、今選ぶ治療法の組み合わせにかかっています。医師と相談し、自分の目標と予算に合わせた最適なプランで、最高の一年後を迎えに行きましょう。