AGA治療の内服薬や外用薬だけでは満足のいく効果が得られない、あるいはより早く結果を出したいと願う人が、次なる一手として検討するのが「メソセラピー」です。頭皮に直接、発毛を促進する有効成分を注入するというこの先進的な治療法は、大きな期待を集める一方で、その期待値の高さゆえにトラブルが生じやすい側面も持っています。 メソセラピーで最も多いトラブルが、「期待したほどの効果が出なかった」という、理想と現実のギャップです。クリニックのウェブサイトには、劇的な改善事例が掲載されていることが多く、高額な費用を払えば誰もが同じような結果を得られると過度に期待してしまいがちです。しかし、メソセラピーの効果には個人差が非常に大きく、注入する薬剤の種類や本人の頭皮の状態によって、その結果は大きく異なります。あくまでAGA治療の「補助療法」という位置づけであり、メソセラピー単独で魔法のように髪が生えるわけではないという現実を、冷静に受け止める必要があります。 次に、費用を巡るトラブルも少なくありません。メソセラピーは自由診療の中でも特に高額な治療であり、一回数万円から、コース契約となると数十万円に及ぶこともあります。カウンセリングで「このコースを組めば必ず生える」といった断定的な説明を受け、高額な契約を結んだものの、結果が伴わずに後悔するというケースです。契約を急かされたり、効果を保証するような言動があったりした場合は、一度立ち止まって考える慎重さが求められます。 また、頭皮に直接針を刺すという施術の性質上、痛みや内出血、感染症といったリスクもゼロではありません。施術後の頭皮ケアの指示を守らなかったり、衛生管理が不十分なクリニックで施術を受けたりすると、頭皮環境をかえって悪化させてしまうトラブルにつながる可能性もあります。 メソセラピーは、医師の正しい診断のもと、適切なタイミングで導入すれば、AGA治療を加速させる強力な武器となり得ます。しかし、その効果を過信せず、リスクと費用を十分に理解し、信頼できる医師と相談を重ねた上で、納得して選択することが、後悔しないための絶対条件となるのです。
AGA治療とメソセラピー期待と現実のギャップ