私がAGA治療を始めようと決心したとき一番恐れていたのは副作用でも費用でもなく初期脱毛という現象でした。ネットで体験談を読み漁ると治療を始めてすぐに大量に髪が抜ける期間があるという情報があふれておりただでさえ薄くなっている髪がさらに減ってしまうことに強い恐怖を感じていました。しかしこのまま座してハゲるのを待つよりは一縷の望みに賭けてみようと震える手でクリニックの予約ボタンを押したのです。医師からは初期脱毛は薬が効いている証拠であり必ず終わるものだと説明を受けましたがそれでも実際にその期間が訪れたときの精神的なダメージは想像以上のものでした。治療薬であるフィナステリドとミノキシジルを飲み始めてから二週間ほど経った頃異変は突然始まりました。朝起きて枕元を見るとこれまで見たこともないような量の抜け毛が散乱していたのです。シャンプーをするときも指に絡みつく髪の毛の束を見て背筋が凍るような思いをしました。排水溝が真っ黒になるほどの抜け毛を見るたびに本当にこれで髪が増えるのだろうかと疑心暗鬼になり薬を飲む手が止まりそうになりました。この初期脱毛の期間は約一ヶ月半ほど続きました。鏡を見るのが怖くなり外出するときは帽子が手放せなくなりました。まさに暗黒の期間でした。しかし二ヶ月目を過ぎたあたりから不思議なことに抜け毛の量がピタリと減り始めました。以前のような大量の脱落が見られなくなりシャンプー時のストレスも激減しました。医師の言葉通り初期脱毛の期間は終わりを告げたのです。そして三ヶ月目に入ると生え際の産毛が以前よりも濃くなっていることに気づきました。最初は光の加減かと思いましたが毎日観察していると明らかに黒くしっかりとした毛が育ってきているのがわかりました。この時の喜びは何にも代えがたいものでした。あの辛い抜け毛の期間は新しい髪が生えてくるための準備期間だったのだと身をもって実感することができたのです。四ヶ月目から五ヶ月目にかけては変化が加速していきました。頭頂部の透け感が徐々に改善され髪全体にハリとコシが出てきました。美容院に行ったときも担当の美容師さんから髪質が変わりましたねと驚かれ治療の効果を確信しました。半年が経過する頃には治療開始前よりも明らかに髪の量が増えスタイリングも楽しめるようになりました。初期脱毛の期間中に諦めて治療を止めていたらこの結果は得られなかったでしょう。あの時不安に押しつぶされそうになりながらも自分を信じて薬を飲み続けたことが今の自信につながっています。これから治療を始める人や今まさに初期脱毛の期間中で苦しんでいる人に伝えたいのは夜明け前が一番暗いということです。初期脱毛は永遠には続きません。それはあなたの頭皮が生まれ変わろうとしている産みの苦しみのようなものです。通常一ヶ月から二ヶ月程度で収まりますのでその期間さえ乗り切れば明るい未来が待っています。日々の抜け毛に一喜一憂せず長い目で見て治療を継続してください。半年後のあなたはきっと鏡の前で笑顔になっているはずです。私の体験が少しでも誰かの勇気になれば幸いです。