現代社会において、デスクワーク中心の生活や便利な交通機関の発達により、多くの人が慢性的な運動不足に陥っていますが、これが薄毛の大きな原因になっていることに気づいている人は意外に少ないものです。運動不足が続くと、まず筋肉量が減少し、基礎代謝が低下します。すると、摂取したエネルギーが消費されずに余り、肥満を招くことになりますが、問題はそれだけではありません。筋肉、特にふくらはぎの筋肉は「第二の心臓」とも呼ばれ、重力によって下半身に溜まった血液を心臓へと押し戻すポンプの役割を果たしています。運動不足でこのポンプ機能が弱まると、全身の血液循環が悪くなり、心臓から遠く、しかも高い位置にある頭頂部への血流は真っ先に滞ってしまいます。頭皮への血流不足は、毛根への兵糧攻めと同じであり、髪は栄養不足で細く弱くなり、抜け落ちやすくなってしまうのです。また、運動不足は自律神経の乱れにも繋がります。適度な運動はストレスを発散させ、副交感神経を優位にしてリラックス状態を作りますが、体を動かさないとストレスが蓄積し、交感神経が優位な緊張状態が続いてしまいます。交感神経が優位になると血管が収縮するため、血行不良に拍車がかかり、さらなる薄毛の原因となります。さらに、運動によって分泌される成長ホルモンには、細胞の修復や再生を促す働きがあり、これは髪の成長にも欠かせないものですが、運動不足ではこの恩恵も受けられません。薄毛対策として高価な育毛剤やシャンプーにお金をかける前に、まずはスニーカーを履いて外に出ましょう。1日30分のウォーキングや、自宅でできるスクワットなどの筋力トレーニングを続けるだけで、血行は劇的に改善し、体全体の代謝が上がり、髪が生えやすい土壌が整います。運動は、副作用のない最強の育毛剤なのです。