これって噂のAGA？

生まれてきた我が子の愛おしい姿。しかし、他の同じ月齢の赤ちゃんと比べて、「うちの子、なんだか髪が薄い気がする…」と、心配になる親御さんは少なくありません。特に、初めての育児であれば、その不安はなおさらでしょう。しかし、結論から言うと、赤ちゃんの髪が薄いことについて、過度に心配する必要はほとんどありません。赤ちゃんの髪には、大人とは違う、成長過程におけるいくつかの特徴があるのです。まず理解しておきたいのは、生まれた時に生えている髪は、お母さんのお腹の中にいる時から生えていた「産毛」であるということです。この産毛は、大人と同じ「硬毛」とは違い、非常に細く、柔らかく、色も薄いのが特徴です。そのため、髪の量が多くても、薄く見えてしまうことがあります。また、髪の生え方にも個人差が大きく、生まれた時からフサフサの赤ちゃんもいれば、ほとんど生えそろっていない赤ちゃんもいます。これは、肌の色や目の色が違うのと同じ、生まれ持った個性の一つです。次に、多くの赤ちゃんが経験するのが「新生児生理的脱毛」です。これは、生後1ヶ月から3ヶ月頃にかけて、産毛が一斉に抜け落ちる現象です。お母さんのお腹の中にいる間にもらっていたホルモンの影響がなくなることで、髪の成長が一時的にストップし、休止期に入ることが原因です。この時期、後頭部だけが擦れてハゲてしまう「枕ハゲ」もよく見られますが、これも一時的なもので、寝返りやお座りができるようになれば自然と生えそろってきます。一度抜けた後、半年から1年ほどかけて、徐々にしっかりとした新しい髪の毛が生え変わってきます。この新しい髪の質や量も、遺伝的な要因が大きく、親御さんの髪質に似てくることが多いでしょう。もちろん、3歳を過ぎても極端に髪が少ない、あるいは頭皮に湿疹やかぶれなどの異常が見られる場合は、念のため小児科や皮膚科に相談することをお勧めします。しかし、ほとんどの場合、赤ちゃんの髪の薄さは、成長過程における自然な姿です。他の子と比べることなく、今しかないその愛らしい姿を、温かい目で見守ってあげてください。