-
抜け毛が枕にびっしり!睡眠不足で地獄を見た僕が髪を取り戻すまで
30歳を過ぎた頃、僕は人生で最も忙しい時期を迎えていました。新しいプロジェクトのリーダーに抜擢され、期待とプレッシャーで、毎晩終電で帰宅し、家でもパソコンを開く日々。睡眠時間は、平均して4時間取れれば良い方でした。若い頃は徹夜も平気だったはずなのに、体は正直でした。朝は鉛のように重く、日中は常に頭にモヤがかかったような状態。それでも、アドレナリンでなんとか乗り切っていました。異変に最初に気づいたのは、シャワーを浴びている時でした。排水溝に溜まる髪の毛の量が、明らかに以前より多いのです。そして、ある朝、枕にびっしりとついた短い抜け毛を見て、僕は凍りつきました。「なんだ、これは…」。恐る恐る鏡で頭頂部を覗き込むと、心なしか地肌が透けて見え、分け目が広がっているように感じました。その瞬間、仕事のプレッシャーとは質の違う、冷たい恐怖が背筋を走りました。「このままはげるんじゃないか」。その日から、僕の頭の中は髪のことでいっぱいになりました。会議中も、人の視線が自分の頭頂部に集まっているような気がして集中できない。インターネットで「はげる 原因」「薄毛 対策」と検索しては、AGAの記事を読んでさらに不安になる。完全に悪循環でした。このままでは、仕事もプライベートも、そして髪も、全てを失ってしまう。そう悟った僕は、生活を根本から変えることを決意しました。まず、どんなに仕事が残っていても、深夜1時には必ずベッドに入る、というルールを自分に課しました。最初は寝付けませんでしたが、寝る前にスマホを触るのをやめ、温かいハーブティーを飲むようにすると、少しずつ眠れるようになりました。食事も、コンビニ弁当ばかりだったのをやめ、タンパク質や野菜を意識した自炊に切り替えました。そして、週末にはジムに通い、汗を流すようにしたのです。生活を変えて3ヶ月ほど経った頃、ふと気づきました。シャワーの時の抜け毛が、明らかに減っているのです。枕につく髪の毛も、以前のようには気にならなくなっていました。そして半年後、行きつけの美容師さんに「最近、髪にコシが出てきましたね。何か始めました?」と言われた時、僕は心の中でガッツポーズをしました。睡眠不足は、僕の体と心を、そして髪を、確実に蝕んでいたのです。あの地獄のような日々を乗り越え、僕が手に入れたのは、自分自身の健康を大切にするという、生涯の教訓でした。