私たちは自分の髪を毎日鏡で見ていますが、それはあくまで正面からの限定的なアングルに過ぎません。一方で、あなたの髪を三百六十度、しかも至近距離で、かつ定期的に観察している人物がいます。それが担当の美容師さんです。彼らは髪のプロフェッショナルであり、これまでに何千人もの頭皮と髪を見てきた経験から、素人では気づかないような「ハゲ始めの微細なサイン」を敏感に感じ取っています。もし美容師さんとの会話や施術の中に次のような変化があったら、それはあなたの髪に対する無言の警告、あるいは遠回しなアドバイスかもしれません。まず、美容師さんが「カットの提案」を変えてきた時です。以前は「軽くしておきますね」「量を減らしておきますね」と言われていたのに、最近になって「今日はあまり鋤(す)かないでおきましょうか」「トップは長めに残してふんわりさせましょうか」と言われるようになったら要注意です。これは、髪の密度が減ってきているため、これ以上鋤くと地肌が透けてしまう、あるいはボリュームが出なくなると判断された可能性が高いです。また、「前髪を少し奥から作りましょうか」という提案は、生え際の後退をカバーし、前髪に厚みを持たせるためのテクニックであることが多いです。次に、「シャンプーやヘッドスパ」を勧められる頻度が増えた場合です。もちろん営業の一環ということもありますが、美容師さんがあなたの頭皮を見て「赤みがある」「硬い」「毛穴が詰まっている」と感じ、頭皮環境の改善が必要だと判断して勧めてくれているケースも多々あります。「最近、頭皮がお疲れ気味ですね」「頭皮が硬くなっていますよ」という言葉は、単なる世間話ではなく、「このままだと抜け毛が増えますよ」という裏のメッセージを含んでいることがあります。特に、頭皮の色や状態について具体的に指摘された場合は、真剣に受け止めるべきでしょう。さらに、セットの際の「アドバイス」にもヒントが隠されています。「ドライヤーは根元を起こすようにかけてくださいね」「ワックスは根元につけないでくださいね」としつこいくらいに言われる場合、あなたの髪がペタンとなりやすく、ボリューム不足が顕著になっていることを示唆しています。また、仕上げにハードスプレーを多めに使われるようになったら、そうしないとスタイルが維持できないほど髪が弱っている証拠かもしれません。美容師さんは、お客様を傷つけないように、直接的に「ハゲてきていますよ」とは言わないのが普通です。しかし、プロとして何とかしてあげたいという思いから、カット技術やケアのアドバイスを通じてサインを送ってくれています。もし気になることがあれば、思い切って自分から聞いてみるのも一つの手です。「最近、抜け毛が気になるんですが、どう見えますか?」「つむじ周り、薄くなってないですか?」と直球で質問すれば、彼らはプロの視点から正直に、そして親身になって現状と対策を教えてくれるはずです。
美容師は気づいている?プロが見逃さない髪のSOS信号